J1屈指の浦和サポーターがもたらす経済効果に加え、その熱気を経験できる絶好のチャンスだ!

 4日の山形―浦和戦に、7000人以上の浦和サポーターがNDスタに詰めかける。飲食代やチケット代など、1億円の県外マネー獲得をクラブは期待。また今季2度目の完売ゲームで、J1ならではの興奮を、山形サポーターも味わえるチャンス。試合でも勝ち点を奪い「一石三鳥」をもくろむ。

 アウェー席に陣取る7000人と「ふたを開けなければ分からない」(中井川GM)という、メーンスタンドにもこぼれるであろう赤い軍団。クラブ史上最多の約250人体制で警備に備える「赤い悪魔」の来訪が、実は山形の底力アップにつながる―。クラブ側は、そう踏んでいる。

 中井川GMは「チケットに飲食代、お土産でさくらんぼとか、日帰りのお客さんでも1万円は使うはず」と、地元への経済効果を口にする。通常の3倍にあたる約30台のバスで山形駅、天童駅からピストン輸送も用意。交通費や宿泊代なども含めれば、浦和サポーターの地元への経済効果は、1億円も見込める。海保理事長は「これぞ満員という雰囲気を、地元の方に味わってほしい」と熱弁。注目度の高さをアピールし、クラブ運営の資金となる、協賛企業の新規開拓につなげる構えだ。

 J屈指の熱狂的な「赤い軍団」は、スタジアムの盛り上げ方など、山形のサポーターの「教師役」にもなるはずだ。同理事長は「刺激になるはず。J1ではチケットが買えないこともあると分かって、購買意欲も増すはず」と、地元のモンテ人気アップを期待した。

 経済効果を得た上で、雰囲気づくりまで学べ、これで勝ち点を奪えば、申し分ない一戦。小林監督は「アウェーが7000人ですか…。見てくれた地元の方が『次も見たい』と思う試合を見せます」と、プレーでも地元の応援熱を高めたい考えだ。注目の戦いで、収入も、経験も、そしてリーグ戦8試合ぶりの勝利で勝ち点3も稼ぐことができれば―。クラブも地域も、一気に活性化されるビッグチャンスを、逃す手はない。【山崎安昭】