<J2:水戸1-0札幌>◇第25節◇4日◇札幌ド

 コンサドーレ札幌は、水戸に0-1で敗れ、今季最長の6試合連続未勝利となった。前半21分にDF西嶋がペナルティーエリア内でファウルを犯し、2枚目の警告を受け退場。PKから失点後、残り69分間、数的不利に陥りながら攻め続けたが、折り返しの節目で勝ち点を奪うことはできなかった。

 10人で戦い抜いたが、結局は疲労感だけが残る試合となった。「1人少ない中で勝ちたいという気持ちは出ていた」と石崎監督。後半からFW中山、上原、MF砂川と次々と攻撃の枚数を増やし、最後は吉弘と趙だけの2バックという大胆な策も用いたが、結果は無得点。指揮官の猛烈な攻撃策をもってしても、リーグワースト40失点の相手から1点も奪えなかった。

 どんなにいい内容でもプロは結果も求められる。石崎監督はチームの雰囲気について「明るいけど危機感が足りないと思うことはある。レイソルの時はミニゲームでもけんかが始まるぐらいだった」と言う。指揮官が今季のスローガンに掲げた「戦う」という言葉は、戦術や作戦の前に、1対1で目の前の敵を倒す、泥くさい闘争心を見せろという意味でもある。今の札幌には「勝ちたい」ではなく「絶対勝つ」という強い精神力が欠けている。

 日本代表DF闘莉王は6月10日のカタール戦で引き分けに終わった直後「こんな腐った試合ダメっす。もっと1人、1人が打開するために考えなきゃダメ」と自分たちをののしった。同じ勝負師としてそれぐらいのとがった部分も必要だ。2万人を超える観客が、チケット代を払って見に来るのは、札幌の勝利を信じているからだ。【永野高輔】