J1山形MF財前宣之(32)が、着実に勝ち点を積み重ね、J1定着を果たす構えだ。2-1で勝利の11日横浜戦で、アシスト&逆転弾の起点になったスーパーサブは、17日の練習でもキレのある動きを披露。連勝を狙う19日の磐田戦では「ひたむきさを忘れないで、みんなで相手より走る」と意気込んだ。

 「あれは、たまたま」と謙遜(けんそん)する横浜戦で見せた狙い通りのプレースキック。もともとキック精度に自信があり、また華麗なパスでファンをわかすことも多いが、後半戦は結果だけを追い求める。「勝ち点1でも取っていけるように、見ている人がつまんなくても泥臭くやる」。母が青森県出身。幼いときから好きな東北から、J1を消さないつもりだ。

 財前の好調さを認める小林監督は「途中出場で結果を出すのは、周りを見る余裕があって流れを判断できる選手。ザイ(財前)はできる」と頼もしげだ。財前は過去に大けがを重ね、両ひざにボルトが入ったまま。「寒いと気になるけど、暑いのはいい」と好調の要因を語る。突然やってくる、短い出場時間に能力を出し切るために、頭と体の準備をしながらベンチで待つ。【山崎安昭】