<J1:川崎F2-2神戸>◇第18節◇18日◇等々力

 ツネ様が「人生初」のオーバーヘッドシュートを決めた。後半24分、速攻から神戸宮本恒靖(32)がゴール前へ走り込むと、古賀の左クロスを胸トラップ。そのまま、さわやかに長髪をなびかせながら夜空に舞った。敵地の大観衆がため息をつくほどの美しいオーバーヘッドは、きれいな放物線を描いてゴール左に吸い込まれた。G大阪時代の06年7月12日磐田戦以来、丸3年ぶりのゴールは貴重な同点弾になった。

 「あまり実感がないですね。シュートを打って、振り向いた時にはゴールに入っていた。あとはもみくちゃにされていました」。絵になるゴールだ。宮本をボランチで起用した和田新監督も「あんなにきれいなオーバーヘッドは今まで見たことがない。感動した」と大興奮。仲間からも「ミラクルを超えている」と驚きの声が出たほどだ。

 敵地等々力は05年12月3日の最終節・川崎F戦で、自ら得点を挙げてG大阪の初優勝を決めた場所でもある。宮本は「何か(縁が)あるのかな。でも、目指すところはもっと上。早く上に行きたい」と言った。貴重な勝ち点1をもたらしはしたが、まだJ2降格圏の16位にいるのも事実。“美技”だけでなく、今度は快進撃で驚かせたい。【益子浩一】