磐田の元日本代表MF太田吉彰(26)が、海外移籍を目指し退団することを23日、決断した。この日の練習後、スーツ姿でクラブ関係者と会談し、了承された。7月末で切れる磐田との契約満了後、単身欧州へと渡る。ユースから磐田一筋の生え抜きが、欧州クラブの門をたたき、練習参加から活路を見いだす。

 関係者の話によると、外国人枠の壁が薄いドイツ、ベルギー、ロシアを中心に回る予定だという。夢だった海外挑戦に、太田は「海外に挑戦することに決めました。リスクはあるけどチャレンジしたい」と胸を躍らせた。

 海外挑戦を思い立ったきっかけは日本代表だった。オシム氏が指揮を執っていた07年に初招集。出場こそなかったが、アジア杯にも帯同し「そのころから考え出した」という。さらに拍車をかけたのが、ドイツのボルフスブルクでプレーする日本代表MF長谷部の存在だ。高校時代に同学年で静岡県代表として一緒にプレーした同僚が、海外での活躍を機に代表に定着。その成長に「一緒にやったことのある選手だから、刺激になった」。連絡を取り合い、話を聞いている。

 磐田で出場機会が減った5月には、大分から期限付きでのオファーを受けながら、断った。「海外というのが頭から離れなかった」。そのための7月末までの契約だった。今月7日には結婚したが「チームが決まるまでは1人」と意志は固い。すでにこれまでの部屋を引き払い、スーツケース1つで夢を追いかけるつもりだ。