<J1:大宮1-1千葉>◇第23節◇22日◇NACK

 16位の千葉が、14位の大宮と引き分けた。前半32分、FWネット・バイアーノ(26)が頭で決め、江尻篤彦監督(42)の就任4戦目で初めて先制したが、後半17分に追い付かれ、そのまま試合終了。降格争いのライバルとなる大宮を引きずり降ろすことができなかったが、同監督は「下を向いても始まらない。1戦1戦が天皇杯のファイナルと思って戦う」と、気持ちを切り替えた。

 江尻監督は清水に1-2で負けた7月25日の夜、オファーを受けた。即答はせず、2日間考えた。引き受ける返事をする前日の同26日、浦安市内の自宅で家族会議を開いた。夫人と高校生と中学生の息子の前で「これから監督として勝負する。失敗したら、収入がなくなるし、この家を売って、おばあちゃんの家に住むことになる。いいか?」と聞いた。家族が快く了承してくれ、受諾の返事をした。

 相手の分析などにたけている理論派だが、選手の前では熱血漢。大宮戦の直前ミーティングでは「チームが波に乗れないのがなぜか知ってるか?

 こういう時、我々は何をすべきか、自分たちで考えろ。強い気持ちこそが、チーム戦術だ」と、声を荒らげた。就任後2分け2敗で、得た勝ち点は2。順位を上げることができず、4試合を消化した。残留には残り11試合で、最低でも半数以上勝たないと難しい。新米監督の厳しい戦いは続く。【盧載鎭】