G大阪のMF遠藤保仁(29)が、新しい相棒を操って奇跡の逆転Vを演出する。クラブは27日、新潟で今季10得点のFWペドロ・ジュニオール(22)の完全移籍での獲得を発表。アルサード(カタール)へ移籍したレアンドロに代わる活躍が期待されるが、実力は未知数な部分も多い。「たくさん点を取ってもらう」と言った遠藤が、眠れる才能を引き出し、残り11試合で鹿島を猛追する起爆剤にする。

 遠藤の頭の中では攻撃のイメージができていた。エースFWだったレアンドロの代わりに獲得したペドロ・ジュニオールとの新コンビ。19日に敵地で対戦し、PKで得点を奪われた試合のイメージが鮮明に残っている。特徴は速さ。遠藤は「操り方」を形にした。

 遠藤

 (DFの)裏に速いパスを出していけばいい。ヨーイどんで走らせたら、足は速いんでね。そういう(前線への)ボールに対して、抜けきれば点は取れると思う。新潟でも10点取っているし、いっぱい点を取ってもらえればいい。

 「攻撃的ガンバ」復活の鍵はキラーパスだ。来週に合流予定の新助っ人は、ドリブル突破と速さが持ち味。遠藤の速いパスに抜け出して得点を狙い、さらには182センチの長身を生かしてセットプレーからゴールに迫ることもできる。公式戦最近15戦は、1試合平均1・2得点と攻撃陣が低調。まだ22歳と若く、今季頭角を現しただけに未知数な部分は多いが、西野監督は「うちの攻撃の力ならある程度の数字は残せる。それは間違いない」と期待した。

 残り11戦で首位鹿島とは勝ち点14差の6位。4季ぶりのタイトルへ厳しい位置にいるのは確かだ。それでも、遠藤はあきらめない。

 遠藤

 点を取って勝ち続けていくことしか頭にない。(ペドロも)その気持ちは強いと思う。ペドロのためにスタイルを変えることはしないが、FWにとってはやりやすいチームだと思う。(ペドロを)最大限に生かせればいい。

 05年アラウージョ、06年マグノ・アウベス-。過去には得点王に立った助っ人を巧みに操ってきた。その経験を生かし、遠藤&ペドロの新コンビで鹿島を追い上げる。【益子浩一】