<J1:名古屋4-1鹿島>◇第27節◇26日◇カシマ

 試合終了と同時にカシマスタジアムに怒号とブーイングが飛び交った。1年1カ月ぶりのホーム黒星、約3年ぶりのリーグ戦3連敗。オリベイラ監督(58)の「自分自身、自信を回復させる作業をしていきたい」という言葉が、自信喪失した王者を象徴していた。

 失点シーンが最悪のチーム状態を浮き彫りにした。開始わずか5分でケネディに先制点を許すと、同13分にはGK曽ケ端準(30)がバックパスの処理ミスから追加点を奪われた。DF岩政は「失点シーンはすべて局面、局面の甘さ」と話した。

 不振脱却のための手を打ったはずだった。MF本山が左太もも肉離れから復帰し、8月1日の広島戦以来の先発。DF伊野波に代えて37歳の大岩を投入した。だが、3戦8失点(未成立の12日の川崎F戦を含む)の守備は修正できなかった。07年8月29日のG大阪戦(1―5)以来のリーグ戦4失点を喫した。

 後半もミスを連発。MF青木は「ぼくが入団してから最悪のでき。原因が正直分からない」。岩政も「同じ過ちを繰り返しているのであれば、ぼくたちの限界かもしれない」とこぼすなど「症状」は深刻。試合後はスタジアム内で一部サポーターが集結し、鹿島幹部が状況説明に出向く騒動も発生。オリベイラ監督は「追い込まれた状況で力を出すのが真の王者」と前を向いたが、史上初の3連覇に向けて暗雲が漂ってきた。【菅家大輔】