リーグ戦首位から陥落した鹿島が「小笠原シフト」で再浮上を狙う。16日、茨城県鹿嶋市内で行われたアウェー磐田戦(17日、ヤマハ)に備えた練習で、試合前日では異例の紅白戦を実施。主将MF小笠原満男(30)が日本では3年2カ月ぶりに攻撃的MFで先発する緊急布陣を試した。

 前日15日の紅白戦とは異なった布陣が、不振脱出へ新たな策だった。小笠原の日本での攻撃的MFとしての先発は06年8月26日の広島戦以来。セリエAメッシーナから07年夏に鹿島に復帰してからは、公式戦に先発した91試合すべてが守備的MFでのプレーだった。

 小笠原本人は「ポジション?

 秘密です。気のせいです」ととぼけたが、狙いは明白だ。攻撃的MF起用で小笠原の守備面の負担を少しでも減らし、攻撃の比重を上げるため。小笠原に代わって守備的MFに入るMF中田も「満男がフリーな時はうまく使いたいと思う」と明言した。

 守備的MFが定位置となった小笠原は普段から「今の仕事は点を取ることより守備」と話すが、「本職」は攻撃的MF。司令塔としては日本屈指の能力を持つ背番号40が、チームを救うために慣れ親しんだ位置に入る。【菅家大輔】