がけっぷちの一戦を前に大ピンチが訪れた。コンサドーレ札幌は17日、アウェーで徳島と対戦する。引き分けか負けた場合、今節での昇格消滅の可能性がある大事な試合ながら、FWキリノ(24)が16日の練習後に体調不良を訴え、欠場が決まった。MF西大伍(22)も左足首の遊離軟骨のため出場は微妙。加えてDF陣も石川、西嶋、趙の主力3人を欠く状況で、勝ち点3を取らねばならなくなった。

 札幌が苦しい状況で正念場の一戦に臨む。16日の練習後、キリノが寒けと体調不良を訴えた。体温を測定した結果、37度台の熱があることが判明した。前日15日に感染が判明した石川同様、A型インフルエンザ感染の恐れがあるため、徳島遠征にはエースを帯同させないことが決まった。

 チーム最多17得点を挙げ、上里に次ぐ42試合に出場している得点源の離脱。徳島は今季2戦とも得点を挙げている相性のいい相手だったが、インフルエンザの可能性もあるだけに、キリノは「今回は厳しい」とあきらめざるをえなかった。

 泣きっ面にハチ状態だ。石崎監督は「人はいないけど、いる選手で何とかするしかない」と口にする。DFは出場停止の西嶋に加え、石川、趙と主力3人が欠場。緊急事態に、左足首遊離軟骨で15日の練習を休んだ西が「まだ痛いけど、ここで休むわけにはいかないから」と遠征への強行帯同を志願した。

 右ひざ負傷から復帰間もないDF堀田以外のフィールドプレーヤー全員が遠征に帯同。最悪の事態に備え、1人増やした17人で現地入りした。16試合ぶりのベンチ入りが濃厚なMF岩沼は「こういうときこそやれる人間で結果を出さないと」と、負ければ昇格消滅の可能性も出る戦いに向け、気持ちを高ぶらせた。【永野高輔】