<J2:札幌1-0栃木>◇第46節◇21日◇札幌厚別

 コンサドーレ札幌は栃木に1-0で勝利した。昇格消滅後初戦となったが、試合開始から主導権を握り、前半17分にFWキリノ(24)が右足オーバーヘッドキックで先制点。チームとしてはリーグ戦4試合ぶりとなるエースの得点を守りきり、勝ち点3を獲得した。目標のJ1昇格は不可能となったが、来季へ向けた出直しの1戦を完封勝利で飾った。

 札幌が来季へ向けた出直しの1戦で完封勝利を飾った。試合を決めたのはエースの華麗な1発だった。前半17分、体調不良で17日の前節徳島戦を欠場したFWキリノが魅せた。DF西嶋がゴール前にヘディングで上げた浮き球を、オーバーヘッドキックでとらえると、得意の右足から放たれたボールは夜空から急降下。「絶対に決めてやろうと思った」。鮮烈なゴールで07年エースFWダビ超えとなる初年度18点に到達した。

 チームとしては9月27日湘南戦以来4試合ぶりのゴール。欠場した前節17日の徳島戦でチームが敗れ、昇格が消滅してしまっただけにキリノは「サポーターの期待に応えられず申し訳ない」とまずは謝罪。続けて「残り試合も全力で戦うから応援をよろしく」と訴えかけた。

 クラブは石崎体制来季続投で固めているだけに、残り試合も大事な成長の時間だ。「昇格は消えても選手たちはモチベーションを高く持って戦ってくれた」と石崎監督。この日は3年目MF岩沼が初先発、2年目DF堀田が初ベンチ入りした。そしてエースが得点してDF陣が3試合ぶり完封。柱となる選手と新戦力が結果を残す理想的な試合運びだった。

 だが、来季に向け安心はできない。この日の観客動員は今季ホーム最低の5112人と、日本ハムのパ・リーグCS開催の影響を受けた。早期の昇格消滅も影響して、今季は2期連続の赤字が確実。来季はJ2クラブ増が濃厚で、3回戦制から2回戦制となればホーム試合も最低8戦減り収入は激減する。クラブでは来季4億円台に圧縮するトップチーム人件費を確保するため、警備員数などを抑えるなど運営経費切り詰めを検討している。

 「最善を尽くして、さらに面白いチームにできるようにしたい」と矢萩竹美社長(59)。新たなシーズンへ向け、選手、フロントともに必死の戦いが始まる。【永野高輔】