がけっぷちに追い込まれている千葉の江尻篤彦監督(42)が7日、異例の気合注入を行った。戦術ミーティングの席で、練習開始を5分間遅らせてまで精神論を説いた。8日の川崎F戦の結果次第で、クラブ史上初の2部降格の可能性があるだけに、千葉市のユナイテッドパークには10月8日のオープン以来最多の300人のサポーターが激励に集結した。8日はJ1とJ2計18試合が一斉に行われ、J1・17位千葉と16位柏のダブル降格、J2首位C大阪と2位仙台のダブル昇格の可能性もある。

 試合前日の日課となったビデオミーティングの後、江尻監督が練習場に向かう選手たちの足を止めた。いつもは10~15分、相手の直近の試合を編集したビデオを全員で見て、約1、2分間、戦術の確認をした後、練習場に向かうが、この日は様子が違っていた。勝利へ、残留へ、熱い気持ちを選手たちに注いだ。

 江尻監督

 ちょっといいか。次はプライドをかけて戦うんだ。自分たちのためにやれ。残り4試合は自分との戦いだ。プライドを見せろ。フロンターレ戦は絶対に勝つぞ。

 日本リーグ時代から44年間守り通した1部生活に終止符が打たれる瞬間は、刻一刻と迫ってきている。今季4試合を残しているが、仮に全勝しても15位の大宮が1分けするだけで、2部降格が決まる。昨年は最終節で東京相手に2点差をひっくり返し、ミラクル残留を決めたが、今季は奇跡を起こすには、あまりにも勝ち点差が開いてしまった。

 それでも可能性がある限り、あきらめない。サポーターからは続々と応援メッセージが届いており、この日はクラブハウスのロッカールームに15枚が張られた。「試合に負けた後、サポーターに申し訳ないというコメントを聞くけど、これからは自分たちのために戦ってください。我々は応援し続けます」などという内容だ。

 手負いのFW深井とMF米倉も強行出場する。江尻監督は「ケガをしても、ここまできたらやれるか、やれないかだけ」。1部死守へ、プライドを守るため、なりふり構わぬ姿勢を打ち出していた。【盧載鎭】