「どこへ行っても、中山のチームを応援する」-。J1磐田から戦力外通告を受けたFW中山雅史(42)に10日、藤枝東高時代の恩師鎌田昌治さん(57=現静岡中央高サッカー部監督)がエールを送った。9日午後に直接電話を受け、現役続行を望む決断を尊重したという。
高校時代の恩師は静かに、温かく中山の「現役続行」を尊重した。鎌田さんは当時を振り返りながら「中山は頑固なんです。『自分はこうでありたい』というものにこだわる。その1つが現役で、納得できない部分があるから、現役にこだわって続けようとするんでしょう。応援したいですね」と、教え子の決断を見守った。
鎌田さんの携帯電話に、本人から着信があったのは9日の午後だった。「選手として、ジュビロでは終わりになりました。現役にこだわりたいので退団することに決めました。真っ先に先生に報告したくて」と聞かされた。突然の報告。「よほどのことがない限り連絡は来ない。僕は『何とか来年もジュビロで…』という電話かと思ったんです。いつかは来ることで仕方ないのかもしれないが…。(他クラブの)オファーを待って頑張れよと話しました」。
中山の全力プレーは高校時代から不変だった。当時もランニングで毎日、先頭を走り続けた。課せられたグラウンドの外周約350メートル走×10本。部員全員が65秒以内に入らなければ「1本」と認められない中、中山は疲れて遅れた選手の腕を引っ張って走った。「もともとある能力よりも気持ち。すべてを出し切る気持ちを持っていた人間だったですね」と振り返った。
毎年1月2日の母校での初蹴り後、教え子は鎌田さんの家に集まる。天皇杯決勝に進まない限り、中山も訪れた。シーズンオフのめでたい席。それでも、最初に少し口をつけるだけで、酒はほとんど飲まない。「前は体脂肪も5%ほどだと言っていたし、歯のかみ合わせの治療をしているとも聞いた。(42歳の)あの年齢までやろうとしたとき、周りと同じ生活をしていたらダメなんでしょう。どこからオファーがあるか分からないが、僕は中山イコールそのチームを応援していきたいと思っています」。



