川崎F、鹿島、G大阪の3強が優勝を争うJ1は約2週間の中断が明け、残り3試合を迎える。史上初の3連覇を狙い、首位川崎Fと勝ち点1差の2位の鹿島は、21日のアウェー京都戦で、元日本代表FW田代有三(27)がリーグ戦では1年1カ月ぶりに先発することが決定的。プロ入り後、得点すれば26勝1敗という勝利の「神通力」を持つ田代が勝利に導くか。

 苦渋に満ちた1年を乗り越えた田代が、ここ1番で勝利の「神通力」を発揮する。待ちに待ったリーグ戦で1年1カ月ぶりの先発。05年のプロ入り後、得点した試合は26勝1敗で9割6分3厘の高勝率を誇る男は「あまり意識しすぎず、でも点を取りたい」と話した。

 自身の故障や新人FW大迫の台頭で、今季はベンチ生活を余儀なくされ、14日の天皇杯神戸戦で今季公式戦初先発を飾ったばかりだった。それでも気持ちを切らさなかったからこそ、優勝を左右する終盤に巡ってきたチャンスに「いい準備をしたい」と意気込んだ。

 08年10月26日の東京戦以来のリーグ戦先発となる京都戦は、FWマルキーニョス、DF岩政の攻守の柱2人を出場停止で欠く苦境を強いられる。だが、3連覇を達成するためにも、残り3試合で全勝が求められるだけに「とにかくやるしかない」と言い切った。

 10月24日のリーグ戦千葉戦で1年ぶりの公式戦ゴールを決めた後は好調を維持。オリベイラ監督が「あれだけ特殊な能力を持った選手は日本にいない」と評する高さが持ち味の身長181センチの背番号9は「結果を出して勝利に貢献したい」。通算3勝4敗と相性の悪い敵地西京極で、その跳躍力を発揮し、王者に必要不可欠の勝ち点3をもたらす。【菅家大輔】