今オフの移籍市場の目玉選手、C大阪MF香川真司(20)が23日、進路先の決定条件を「中心として試合に出場できるチーム」と明言した。オランダ1部VVV、東京、浦和から正式オファーを受け、C大阪からも熱烈な残留要請をされている。右足甲の疲労骨折の症状を完治させるため、24日に手術し、4日ほどで退院する予定。その後、来季レギュラーとして獲得を目指す東京と2度目の交渉をするとみられ、争奪戦がいよいよ本格化する。

 平成生まれで初の日本代表となった20歳のホープが、進路の決定条件をはっきり示した。

 香川

 自分が一番、成長できる場所を選びたい。中心として試合に出場できるチームが最優先になる。

 これまでは去就について「フラット」という言葉で気持ちを表現していた。今もまだオファーが届いたすべてのクラブに行く可能性を否定しないが、具体的にチームを選択する条件を語ったのは初めてだ。

 来季も続投濃厚のC大阪レビークルピ監督から「真司には早くけがを治してもらって来年も活躍してほしい」と期待された。香川もこの日「セレッソが自分を最も成長させてくれたクラブであることは間違いない」と感謝の言葉を述べ、4年間所属したクラブへの愛着をはっきりと言った。一方東京、浦和、VVVからも正式オファーを受け、熱意を感じている。「最も多い提示額を受けたクラブを選ぶというわけではない。成長したいという思いしかない」と話した。

 9月に疲労骨折の症状が見られた右足甲を完治させるため、この日から大阪市内の病院に入院した。24日には患部にボルトを入れる手術を受けるため、残り2試合は欠場する。週末には退院予定で、週明けから争奪戦がさらに過熱することになりそうだ。「悩んでいる。とにかく時間はあるので、じっくり考えたい」。来年6月のW杯南アフリカ大会出場も見据えて、進路を熟考していく。【奈島宏樹】