石川がチーム力向上へ「口論隊長」になる。コンサドーレ札幌は8日、J1柏から期限付き移籍中のDF石川直樹(24)との契約を1年間延長すると発表した。7月に加入しDFの柱として奮闘した背番号29が、来季も残留することが正式に決まった。J1昇格に向け、来季は「嫌われ役」に徹することを明言した。先輩後輩問わず積極的に意見をぶつけられる環境を率先してつくり、全体の戦う姿勢を高めていく。

 石川が札幌に闘魂を注入する。柏からの期限付き移籍延長が決まったこの日、来季へ向け「先輩相手でもけんかするぐらいの姿勢でいく。チームを強くするためにはそれぐらいしないと」と誓いを立てた。昇格を逃した今季、「元気が足りなかった」と嘆いていた石崎監督の言葉はしっかり受け止めている。先頭に立ち、おとなしい札幌に活を入れる覚悟でいる。

 「チームを強くするために嫌われ役になる。若手、ベテラン問わず厳しく言いあう中で、みんなが何を考えているか引き出せるようにしたい」と意を強くした。9月の練習中にはMFハファエルと接触プレーに対する考え方で意見が食い違い、口論もした。途中加入ながら、徹底して意見をぶつけあうことで、仲間との理解を深めてきた。2年目の来季、これまで以上に良いことも悪いことも口に出し、選手同士のきずなを強めにいく。

 世代間ギャップを埋めるため、「中間管理職役」も買って出る。36歳の東京DF藤山の獲得が決まり、42歳の磐田FW中山の加入も有力となっている。今季中心メンバーは23歳のMF上里、20歳のFW宮沢ら20代前半の選手が多く、ベテランとのサッカー観の相違が出てくる可能性もある。だからこそ「先輩から学ぶこともあるだろうし、若手が考える新しい発想もある。その伝える役目も果たせれば」とパイプ役になる。

 当然、DFの要としての自覚もある。「年間平均失点を1点以下にしたい」と目標を掲げた。J2を制した仙台の39失点に対し、札幌は61失点を喫した。出直しの10年へ、守備力の安定は不可欠。心身両面で石川がチームを引っ張っていく。【永野高輔】