元日決勝切符を「中中コンビ」でつかむ-。J2仙台は29日、天皇杯準決勝でJ1G大阪と対戦。先発2トップは中島裕希(25)と中原貴之(25)が務める。天皇杯4試合連続ゴールに挑む中島と、新潟時代の06年にG大阪から決勝点を奪った中原。ともに高卒1年目の03年に、プロデビューの舞台となった国立で、J2勢初の決勝進出を目指す。

 J1勢を3連破した「同期2トップ」に準決勝も託す。国立は、ともにルーキーイヤーの03年にデビューを飾った場所。中原は4月9日のナビスコ杯東京戦(1-4)で、当時鹿島の中島は8月24日のリーグ東京V戦(1-1)でプロ初出場を果たした。中原が「不思議と緊張しなかった」と振り返れば、中島も「デビュー戦の良いイメージが、いい方向に向けばいいね」と聖地に好印象を持つ。

 相手は前回覇者のG大阪。中島は、天皇杯4戦連発で連覇を阻むつもりだ。「もちろん狙っていきたいけど、決めても負けたら意味がない」と中島。家族や、来年1月に結婚披露宴を控える沙矢香夫人も観戦予定。「最高の1年にするために勝って終わる」と優勝も見据えた。

 一方の中原は「オレ、ガンバ戦でゴール決めてるんです」とニヤリ。新潟時代の06年5月1日、豪快ミドルで決勝点を奪い、当時6連勝中だったG大阪に土をつけた。「当時も今も、いい選手がそろってるけど、したたかにスキを突ければ」と想像を膨らませた。

 2月の練習試合は中原のアシストで中島が得点し、1-0で勝った。舞台も条件も違う真剣勝負だが「中中」は再現できると信じている。【木下淳】