【グアム25日=永野高輔】中山の筋肉が目覚めた。J2札幌グアムキャンプ6日目のこの日、右足内転筋付着部炎で別メニュー調整だったFW中山雅史(42)が、復調への兆しを見せた。痛みがひかず前日24日まで3日間、午後を治療とマッサージに費やしていたが、この日朝、トレーナーに「劇的に良くなった」と報告。午前はランニング、午後は水泳と、今キャンプ4日ぶりの2部調整となった。負荷の強度を上げても問題ないことが判明。チーム合流が、おぼろげながら視界に入ってきた。

 なかやまのきんに君にスイッチが入った。この日の午前練習では青空の下、15分間のランニングを2本こなすなど精力的に回復をアピール。トレーニングの合間を縫って、全体メニューを消化するチームメートにゲキを飛ばすなど、痛みから解放された喜びを全身で表現した。

 この日朝、中山の体に変化があった。17日のファン感謝イベント後に痛みを覚えた右足内転筋付着部痛が、うそのように軽くなっていた。元気を取り戻した自らの筋肉に「おい!

 今日は、いいな~」と感じたという。すぐに佐川和寛トレーナー(33)に報告し当初、自転車型トレーニング器具を使った練習を予定していた午前メニューを、負荷の高いランニング主体に切り替えた。

 午後の水泳もクロールで1000メートル泳ぎ切るなどコンディションは上々。帯同する佐川寛トレーナーも「順調です。(水泳は)ベストタイムです」と話した。キャンプ3日目の22日から前日24日まで3日連続で午後半日を治療に費やしてきただけに4日ぶりの2部調整。中山は「今まで悪くなっている感じしかしなかったが今日だけは確実にいい。リバウンドがある感じもない」と合流への手応えを感じ取っていた。

 肉体の躍動を取り戻すと同時に“ゴン節”にもキレが出てきた。回復の理由として「空気清浄器のボタンを昨日の夜だけ“除湿”から“空気清浄”に変えた。そうしたら良くなった」と独特の言い回しで分析するなど絶好調。笑いを取るだけでなく「いろんな要素は考えられるが、トレーナーたちが努力してくれたから」と、入団時のカギとなったメディカルスタッフへの感謝も忘れなかった。ここ3日間、午後の治療は深夜1時まで続くこともあり、トレーナー陣の影の奮闘も中山の復調を助けていた。

 ここまで復帰のメドを明確にしてこなかった佐川トレーナーも「明日(26日)の朝、確認して(メニュー強度を)上げて行ければ合流への予定も立てられるかも」と話した。グアムでのゴン中山合流が、現実味を帯びてきた。