【グアム27日=山崎安昭】チームのためにオレが、キャラを変えます!

 自身のプレーに没頭するタイプのJ1山形FW長谷川悠(22)は、J1で2季連続の2ケタ得点を目指す一方で、チームの盛り上げ役にも挑戦する構えだ。

 187センチの大男が、もじもじしながら今季の目標を語った。「(J1で)2年連続で2ケタ(得点)は取りたいです…」。蚊の泣くような声を出した後、何かに気づいたような顔で、意を決したように、こう続けた。

 長谷川

 ボク、口にしたことは達成できるんでしたっけ?

 ムードメーカーになろうと思います。誰かがやらないといけないし。

 長谷川は08、09年と、いずれもシーズン前に掲げた「10得点」の目標を達成した。その長谷川の今季目標が、ムードメーカーへの変身?

 「(昨季限りで退団したMF渡辺)匠さんも、人見知りだったし…」と長谷川は言う。過去2年は期限付き移籍でプレー。それが今季、柏から完全移籍したのも、自己改革ともいえるキャラ変更のきっかけになった。気持ちを強くし、マークが厳しくなる今季も結果を残したい考えだ。

 これまで長谷川は、カメラを向けられると埋没しようと、集団の中へ潜り込んだ。昨季終盤、残留を願い「青リボン」を作るサポーターの作業場へ足を運んだものの「ひとことも話せず帰ってきた」(長谷川)ほど、シャイな男だ。

 だが今キャンプは、率先して新加入選手に話しかけるシーンが目につく。新キャラが板についていないためタイミングは悪いが“奇声”を発するなどして、盛り上げている。開幕までには華麗なる変身を遂げ「エース兼ムードメーカー」としてピッチに立つ。