J1磐田が3日、磐田市内で今季初の練習試合を行い、攻撃的新布陣を披露した。浜松大と対戦し、柳下正明監督(50)は主力組で臨んだ前半、MF成岡翔(25)を“トップ下”に置きダイヤモンド型の中盤を初めて試した。昨季は1度も使わなかった布陣だが、就任2年目で攻撃的に進化を遂げる宣言通りのスタイルだった。試合は新加入FW荒田智之(24)の2得点などで9点を奪い完封した。
10年版磐田が突然ベールを脱いだ。FW前田と荒田の2トップの後ろにMF成岡が入り、MF那須の1ボランチによるダイヤモンド型新布陣を形成。すると前半9分、前田のパスに成岡が抜け出しシュートを放った。その3分後の同12分には、厚みを増した攻撃から荒田の今季先制弾が生まれた。柳下監督は「互いに声が出て、やろうとすることを意識しながらできた。2トップと翔との、やりやすい距離感を身につけてくれれば」と、期待を込めた。
初試合で初の陣形。昨年のダブルボランチの布陣から、攻撃的スタイルへのチェンジは一目瞭然(りょうぜん)だった。24日の始動日に口にした、細かいパスをつないだサッカーで5位以内を狙う「攻撃宣言」を、ピッチ上で具現化。成岡と那須が縦の関係になることで2トップとの距離を縮め、より攻撃参加をしやすくした。成岡は「FWと近い分、前に仕掛けられる」とイメージを膨らませた。
それでも指揮官は「縦とは言いたくない。前よりのボランチと後ろよりのボランチ。言い方、伝え方が難しい」と、あくまでもダブルボランチであることを強調した。完全にトップ下という定位置をつくることで、守備の意識が希薄になってしまうことを危惧(きぐ)しているようだ。しかし、那須は「自分がコースを限定することで守備は楽になる」と、やる気は高まるばかりだ。
昨季は、前田とイ・グノの2トップで全50得点中32得点を挙げた。しかし、FWに頼ってばかりはいられない。「シーズン初めてのゲームにしては、まあまあ」と同監督。ダイヤモンドの陣形で厚みのある攻撃を展開していくことで、徐々に輝きを増していく。【栗田成芳】



