開幕へ、ゴンが確かな手応えをつかみにいく。札幌は21日、高知県春野でJ1神戸とのプレシーズンマッチに臨む。2度目の実戦となるFW中山雅史(42)は、札幌移籍後初めてのプロ相手の戦いに、闘志を高ぶらせた。長いキャンプによる疲労や体の張りなど状態は万全ではないが、17日の練習試合(鹿屋体大戦)で出た課題を一掃し、貪欲(どんよく)に結果を求めていく。

 J1相手の一戦を前にし、ゴンの表情には気迫がみなぎっていた。自身の実戦2戦目となる21日の神戸戦。「張りのあるゲームなんで。そこでしっかり(結果を)求めていければ」とはっきり口にした。開幕まで残り2週間、調整段階とはとらえていない。自分の中で納得できる、確かな手応えをつかみ取りに行く。

 17日の鹿屋体大との練習試合ではシュート3本を放つも無得点。結果のみならず、プレー自体にも満足できるものはなかった。GKと1対1の場面を決めきれなかったことが、特に脳裏に残っている。その要因がファーストタッチにあったと理解している。「ボールの置き所の未熟さが腹立たしい」と口にしたほど、ドリブルに入る前の最初のボール処理を悔やんだ。それだけに「動きもそうだが、(ボールの)コントロールをしっかり大事にしたい」と同じ過ちを繰り返さないことを誓った。

 痛めていた右内転筋付着部の状態は良くなってこそいるが、決して万全とはいえない。磐田時代には経験したことのない長いキャンプによる疲労もたまっている。それでも言い訳などしない。「試合に出る以上は関係のないこと。しっかり集中して臨んで、今の中のベストを尽くしたい」と2年ぶりとなる神戸戦に向けた。

 スタメンこそ内村と近藤に譲ったが、ピッチに立つのは確実。今季初の公式戦だけに注目度も高まっている。そこで札幌初の「ゴンゴール」が飛び出せば、チームにも自身にも勢いがつけられる。GK高原とともに今季の副主将就任も決まった中山が、龍馬ブームで盛り上がる高知で結果を出し、北海道のファンにそれに負けない熱気を届ける。【砂田秀人】