J1磐田の韓国代表FWイ・グノ(24)が、バンクーバー五輪フィギュアスケート女子の金妍児(19=韓国)を発奮材料にする。日本時間24日に行われたショートプログラム(SP)で首位に立った演技に、イ・グノがくぎ付け。「自慢の妹だ」と感激しながら、開幕前の自身を鼓舞した。

 このときばかりは、芝生ではなく氷上の戦いにくぎ付けになった。午前練習後の昼すぎだった。浅田真央(19=中京大)がSPを終えた直後、イ・グノが日本の舞姫たちを応援するMF岡田らに向かって、堂々勝利宣言した。「金妍児は80点取る!」。宣言通りとはいかなかったが、圧巻の78点台。してやったりのイ・グノに、岡田も「金妍児すごすぎる…」と、脱帽するしかなかった。

 この日が待ち遠しかった。練習後、名波浩アドバイザーから取材を受ける予定が入っていた。ちょうど、金の出番と同じ時間帯。どうしてもテレビで応援をしたかったイ・グノは「金妍児とは知り合いで『必ず応援するから』と約束をしているんだ」と、言い切り、大先輩に待ってもらった。イ・グノは「そうしなければ見られなかった」と“うそも方便”だったことを明かし、申し訳なさそうにしたのはほほ笑ましかった。

 「浅田真央はすごい。でも金妍児は超すごい」。流ちょうな日本語でも、韓国人としての誇りは高い。国民の期待を一身に受け、戦いに臨む「代表」の立場は競技は違っても同じだ。「金妍児は国民の自慢の妹」と、世界を舞台に活躍する姿に共感しながら刺激を受けた。

 チームはFW前田が負傷離脱し、開幕前の対J1戦全敗と不安要素が続出している。しかし、イ・グノは「前田がいない分、自分が頑張る。帰ってくるまで韓国人3人でチームを引っ張りたい」と力強く宣言した。練習後には、25日の法大戦に向けてFW荒田と連係の確認をとるなど、主軸としての自覚ものぞかせた。韓流パワーが頼もしい。けれどイ・グノよ、1つだけ加えさせてほしい。浅田も安藤も「超超すごい!!」。同じ愛知出身の記者にとって自慢の妹たちだ!!!【栗田成芳】