J1仙台が地元の後押しを受けて、13日のホーム開幕戦(対大宮)を迎える。11日、会場となるユアテックスタジアム仙台で練習を実施。同所は、午前8時半の時点で約20センチの積雪があり、ピッチは真っ白。本番会場での最終調整を見送る事態も懸念されたが、仙台商の生徒約180人を含む300人の有志が雪かきに参加。約4時間かけて除雪し、J1で戦うベガルタ戦士へエールを送った。

 期待の高さが、あらためて浮き彫りになった。10日、ホームページで雪かきの協力依頼を告知。午前8時半に集合したサポーターは約50人だったが、徐々に増えて100人を超えた。それでも、仙台の練習開始=午後3時に間に合うか微妙だった。そこに駆け付けたのが仙台商の生徒だ。硬式野球部49人を含む約180人の援軍が次々と加わり、予定を上回る午後1時半に除雪が終了した。

 05年のホーム開幕戦も雪に見舞われ、当時は仙台商も含めて約110人が集まった。今回は3倍。期待の裏返しだ。硬式野球部は、13日に同校野球場で練習試合を予定。芝より除雪が難しい土のグラウンドで、その準備もしなければいけない中、まずベガルタの支援を優先した。

 生徒会長でもある同部の伊藤昂大マネジャー(2年)は「スタンドで見るよりピッチは広かった。間に合って良かった」と汗をぬぐった。サッカー部の氏家錦監督(52)も「大宮に勝って勇気をもらいたい」と協力を惜しまなかった。

 万全の状態でホーム開幕戦に臨める。ユアスタを管理する七北田公園管理事務所の加藤豊明所長(61)は「協力がなければ、今日も明日も除雪に追われて芝の状態が心配だった。これで太陽に当てられ、芝の透水性も本来の状態になる」と笑顔。昨季1度も負けなかったピッチが復活する。

 骨肉腫でDF塚本が離脱し一丸の大宮だが、仙台も地域を挙げた一体感で迎え撃つ。MF千葉が「向こうも事情があるけど、うちも熱意に応えなければいけない」と言えば、手倉森監督も「北国のハンディを皆さんが吹き飛ばしてくれた」と感謝した。ベガルタ戦士が地元の期待に報いるのは、本拠地での勝利しかない。【木下淳】