J1磐田の“眠れるレフティー”MF上田康太(23)が、チームを今季初勝利に導く。ナビスコ杯浦和戦で今季初先発した上田は攻守で安定したプレーを発揮し、4日のG大阪戦(ヤマハ)でのリーグ初出場が濃厚だ。「僕にとって大事な試合。レギュラーをものにしたわけではない。試合に出て、勝ち続けたい」と意欲をむき出しにした。

 今季リーグ戦の出場時間はゼロ。開幕2戦まではベンチも外れた。だが、公式戦初出場となった浦和戦では高いキープ力と正確な左足キックで、チームに落ち着きをもたらした。結果的には1―1のドローに終わったが、柳下監督は「ボールをさばいて展開する場面が見られた」と及第点を与えていた。当の上田は「まだ1試合。ゴールに絡めていないし、まずは勝ちたい」と気を緩めていない。

 チームは今季公式戦5戦連続白星なし。2年連続で3月を未勝利で終え、最下位という危機的状況だが、ホーム通算ゴール数はここまで547。節目の「550ゴール」が目前に迫っている。上田は「FKも練習試合でいい感じで蹴れている。狙っていきたい」と、メモリアルゴールまで視野に入れた。【栗田成芳】