モンテディオのボスが“転向”した。練習好きで有名なJ1山形小林伸二監督(49)が7日、予定していた2部練習を突如1部トレに変更。前日まで2日間オフで、休養十分の選手たちに、さらにこの日午後も休養を与えた。2時間半に至ることもあるほど、長時間練習が、小林モンテの風物詩なのに、この日の午前トレは約1時間半。短時間集中トレに切り替えたその狙いは-。

 400メートルを7、8割のパワーで間髪入れずに走り続ける、オフ明け恒例の“地獄ラン”。いつもなら重い足取りのイレブンが、なぜかこの日は表情も明るい。練習前に、小林監督が午前のみの練習への変更を、告げていたからだ。

 2連休を与えること自体が珍しいほど練習好きの同監督。その上、練習時間の短縮-。異例中の異例だ。方針転換の意図は-。

 小林監督

 コンディションがいいから(負荷をかけすぎて)変にいじりたくない。来週(ナビスコ杯で)週中の試合もあるし(体力を)取っておきたいから。

 キャンプの最終段階で、3時間に迫るハードトレをこなした結果、3月6日の開幕湘南戦で運動量を発揮できずに引き分けた反省もある。さらに、完勝した3日広島戦の前日練習を90分間で締めたのが、好結果につながったとにらむ。「休みの日にムラ(村岡フィジカルコーチ)から電話で『負荷をかけすぎない方がいいのでは?』って言われて(変更を)決めたよ」と、同監督は“転向”の経緯を語った。

 ささやかなプレゼントを受け取った選手たちも、同監督の意図をくんでいる。DF石川は「たまにはね」と、短時間トレを喜ぶ一方で、こう語る。「連勝しないといけない。休む時間がある分、結果を出したい」。勝つために練習量を増やすのではなく、減らす-。指揮官の決断が神戸戦(11日)で吉と出るよう、イレブンは短時間トレに集中力を高めて臨む。【山崎安昭】