川崎Fの高畠勉監督(41)が12日、離脱中だったMF中村憲剛(29)のACL城南一和戦(14日・等々力)での起用を明言した。2月23日のACL城南戦で右あごを骨折した中村は、11日の練習試合東農大戦で実戦復帰。高畠監督はこの日の練習後「反動もなかったし、パフォーマンスにも影響はない」と、出場にゴーサインを出した。

 ただし、フル出場には否定的。城南が相手でもあり「コンタクトが厳しいし、緊急先発はない」と話した。4試合を終えて勝ち点3の3位と、1次リーグ突破(2位以内)へ後がない状況。引き分け以下なら、2位北京の結果次第で敗退が決まる。「最後に少しだけ出して、試合に慣れさせたい」と話すが、展開次第では早い段階で起用もある

 中村は練習後に「昨日の試合で体が慣れ、怖さもなくなった」と話した。直後には横浜市内の病院で、歯に装着していた金具も外した。プレー時のマウスピースからも卒業し「精神的にも肉体的にも、相当楽になる」。この日は加奈子夫人が8日に誕生した長女と都内の病院を退院。チームでの復帰へ、W杯へ、中村の前に視界が開けてきた。【荻島弘一】