前節神戸戦で今季初の2連敗を喫したJ1仙台が20日、2日間のリフレッシュ休暇を終え、市内の泉サッカー場で再始動した。開幕7戦が3勝1分け3敗の五分となった手倉森誠監督(42)は「まさにゼロからの再挑戦。勝ち負けを恐れる立場じゃない」とイレブンを鼓舞。7季ぶりに復帰したJ1で「挑戦者魂が失われている」と指摘し、25日のアウェー湘南戦(平塚)へ原点回帰を促した。

 チャレンジャー精神を取り戻せ-。17日の神戸戦(0-1)はMF梁が「楽しめなかった」と悔やむほど収穫の少ない敗戦だった。遠因は開幕5戦。7季ぶりのJ1で3勝1分け1敗の3位と好発進したことで、手倉森監督は「負けて当たり前のJ1で、結果を恐れるようになった」と指摘する。連敗ストップへ、そのメンタル改善を訴えた。

 手倉森監督

 謙虚に挑む気持ちを思い出そう。我々はJ2から、はい上がったばかりだ。神戸戦みたいな「ミスしちゃいけない」って心理状態はおかしい。J1に挑戦して糧を得ようという1年なのに、勝ち負けを計算しながらプレーしたら、糧じゃなく勝ち点しか得られなくなってしまう。

 2連敗で3勝1分け3敗の五分。貯金は吐き出したが、転機にする。カテゴリーは違うが、開幕7戦の成績は昨季と同じ。当時は「J2優勝候補の奢(おご)りを消そう」と選手が話し合い、第8節からクラブ新記録の7連勝を達成した。指揮官は「J1で7連勝は難しくても、五分に戻ったことが薬になる」と期待した。

 選手も分かっている。25日は同じ昇格組の湘南と対戦。周囲は勝ち点3に期待するが、FW中原は「すべての相手が格上の気持ちで戦う。『勝たなきゃ』なんて思っちゃダメ」と引き締めた。元磐田のMF太田も「失うものは何もない」と同調した上で「ジュビロの黄金期は、いい意味でケンカが耐えなかった。ただ仲良しじゃ勝てないし、どんどん意見を出し合えれば」と経験を注入する。がむしゃらに挑む気持ちを取り戻せば、結果は後から付いてくる。【木下淳】