<J1:磐田1-0浦和>◇24日◇埼玉
大きな嘆息の中に、わずかながら歓喜が聞こえた。首位浦和に完全アウェーで1-0の完封勝利。決勝点を挙げ、後半24分に退いた勝利の立役者MF西は、遅れて登場すると「西コール」で迎えられた。西自身クラブ史上2位タイとなる12年連続ゴールに加え、チームとしては8年ぶりのアウェー浦和戦勝利、J1相手では6年ぶりの公式戦6戦負けなしと、記録ずくめの勝利をもたらした。
家族誕生の喜びを胸に、ピッチに立っていた。前日午後3時20分ごろ、浜松市内の病院で第1子の長女が誕生した。胸に抱き、娘の重さを確かめてから、チームとは別便でホテル入り。「元気に生まれてくれたので、頑張らなきゃって思いましたね」。後半10分に前田からのパスに抜け出すと、左ミドルでゴールに突き刺した。「パパ1号」に、フィールド選手全員から「揺りかごダンス」で祝福されると「こっそり(自陣に)帰ろうと思ったけど無理でした」と照れた。
浦和の偵察部隊が訪れた前日練習で、柳下監督からキーマンに挙げられていた。信頼厚いベテランは5月9日に迎える三十路(みそじ)を前に、記録にも記憶にも残るゴールを放った。「早く調子のいい清水と対戦したい」。チームのため。そして、わが子のために。首位たたきの活躍を誓った。【栗田成芳】



