<J1:川崎F3-0神戸>◇第8節◇24日◇等々力

 バットマンが飛んだ!

 鼻骨を骨折した神戸FW大久保嘉人(27)が、フェースガードをつけてアウェー川崎F戦の後半開始から登場した。後半19分、FW吉田の右クロスにジャンプして頭から飛び込む。外れたが、大久保らしい宣言通りの勇気満点で泥臭いプレーだった。不発に終わり敗れたが、「思ったよりもやれた。ヘディングしても怖さはなかった」と納得した様子だ。

 三浦監督は大久保について「次はスタートを目指していく」と明言した。持病の左ひざ痛も順調に回復しており、次節5月1日新潟戦(ホームズ)での5戦ぶり先発復帰が決定的だ。本人も「(左ひざは)もう大丈夫。スタミナも問題ない」と前向き。

 ただ、初めてのフェースガード着用に戸惑ったのも事実だ。視界が狭くなり、ボールの位置が把握できずに、何度かトラップミス。「正面しか見えない。もう取ろうかと思った。でも、取ったら怖さも出てくるかもしれないし…」とポツリ。次節に向け「もっと視界が広がるようにしたいし、もっと生地を薄くする必要もある」とフェースガードを改良する。

 「あと3週間は(フェースガードを)つけないといけない。とにかく練習して慣れるしかない。速いクロスにも対応できるようにしたい」。W杯メンバー発表の5月10日まであと約3週間。港町のバットマンは、次こそ南アフリカへつながるゴールを決める。【奈島宏樹】