<アジアCL:広島4-3浦項(韓国)>◇27日◇1次リーグ◇H組◇広島ビ

 広島が珍しいトリックPK第2弾で浦項(韓国)との打ち合いにピリオドを打った。既に1次リーグ敗退決定で挑んだホームでの最終戦。日本代表FW佐藤寿人(28)、DF槙野智章(22)のトリックPKが決勝点となって乱打戦を制した。初出場のACLで存在感をアジアに示した。

 魅せた。09年王者・浦項との乱打戦に後半36分、広島の「お騒がせコンビ」が終止符を打った。DF中島が倒されて得たPKにキッカーは途中出場のエース佐藤。「相手GKに自分が蹴ると思わせながら」(佐藤)、ちょこんと左前方にボールを転がした。GKが呆気にとられているところに、後ろから走り込んだ槙野が冷静に右足でゴール右に流し込んだ。槙野はお立ち台で「今日はきっちりルールに反せずに!」とスタンドを笑わせた。

 飽くなきゴールへの執念が生んだ決勝点だ。物議をかもした3月6日の開幕清水戦(広島ビ)でのトリックPKから52日。騒動には申し訳ない気持ちはある。だが、佐藤の頭にはJ1現場のレベルアップにつながったとの思いもある。「今回は問題ないでしょう。アーセナルでピレスとアンリが同じPKをしている」と佐藤は言う。

 練習後に遊びで試したトリックPK第2弾を、既に前節で敗退が決定しているACL最終戦で決めた。「突破が懸かっていたら考えるが、お客さんを喜ばせたかったので」と佐藤。マリーシア(ずる賢さ)の本場ブラジル出身の敵将オリベイラも「ルールに反していない。広島が得点チャンスをしっかり生かした」と振り返った。

 初出場のACLは1巡目は3戦全敗も、2巡目は3戦全勝。先発平均22・18歳の若手主体できっちりと締めた。「敗退はガッカリだが、ポジティブに考えたい」とペトロビッチ監督。広島がワールドクラスのトリックPKを見せつけるなど、アジアで存在感を示した。【佐藤貴洋】