黒星が先行する山形は今季4得点のFW田代有三(27)欠場の穴を日替わり布陣で埋める。時折りしもこどもの日。空に泳ぐこいのぼりよろしく両軍の「こいのぼり」プランを織り交ぜて再浮上の鍵を探る。

 こいが滝を上って竜になるごとく、逆風を切り裂き「J1の雄」になれ-。

 山形は、5日ホーム大宮戦を含むW杯中断前のリーグ戦3試合に「猫の目布陣」で必勝を期す。勝ち点11で9位(4日現在)のモンテディオ。大宮に勝てば今季最高7位浮上のチャンスだが、負ければ17位まで急降下する大一番。小林伸二監督(49)は「ここ3つをしっかりやって、確実にトップ10に入って中断期に入りたい。そのためにもまずは大宮」と、言葉に力を込めた。

 勝利にはゴールが絶対条件だが、チーム得点王(4得点)のFW田代が1日の名古屋戦で左足首を痛め欠場の見込み。逆風が吹くにもかかわらず、小林監督に悲壮感はない。「去年と違って選手層が厚いし、布陣を(通常の4-4-2から)4-3-3だってできる。残り3戦疲れを見ながらメンバーを考える」。選手を入れ替えながら、勝ち点を積み上げる構えだ。

 ここまで黒星1つ先行で、昨年同様厳しい環境に立つモンテ戦士。試練の3連戦を乗り越えれば、チーム目標「トップ10」達成の実力が、備わるはず。総合力で“登竜門”を突破してみせる。【山崎安昭】