<J1:清水4-2京都>◇第10節◇5日◇西京極

 誕生したばかりの愛息へ-。京都の元日本代表FW柳沢敦(32)が、史上6人目となるJ1通算100得点を達成した。清水戦の前半31分。FWドゥトラが競り合ってこぼれたボールを拾うと、胸トラップでDFを一瞬で抜き去った。最後は右足で冷静に先制弾を決めた。4日に夫人でモデルの小畑由香里が第1子となる長男を出産。愛息に捧ぐ節目弾だ。こどもの日でギッシリ詰まった本拠地西京極で、うれしそうにゆりかごダンスを披露した。

 「思い出深い1日になった。勝利があればもっと最高だったのですが。(第1子誕生は)今まで感じたことのないような幸せ。温かい気持ちになりました」。

 96年のプロ1年目から284試合目でつかんだ金字塔だ。3季在籍したセリエAでは、リーグ戦で1点も挙げることができなかった。代表でも「点が取れないFW」と指摘されたこともある。それでも日本人ではカズ、中山、藤田に続く4人目の偉業にたどり着いた。鹿島を離れ08年に京都に移籍。自分を信じてやってきた勲章だ。

 「ボクは個人で打開するより、周りに生かされている。多くの味方に助けてもらった。100点は通過点。まだ積み重ねていく」。27日で33歳になる新米パパは、これからも走り続ける。【益子浩一】