<J1:新潟2-1東京>◇第16節◇7月31日◇東北電ス

 新潟の日本代表FW矢野貴章(26)が、2戦連発でチームの10戦不敗に貢献した。東京戦の前半15分、FWミシェウのスルーパスに反応して先制ゴール。持ち味のダイナミックな動きを攻守で発揮し、2-1の勝利を導いた。4年後のW杯に向け、早くもアジア3次予選が来年9月にスタートする。新生日本のレギュラーFWをかけた戦いも始まった。

 気温28・8度、湿度71%の悪条件の中、身長185センチ、体重76キロの肉体が躍動した。矢野は前半15分、相手のパスミスを奪ったFWミシェウのスルーパスに反応した。猛然と相手DF陣の間を抜け出し、シュートポジションを確保すると、GKと1対1の場面から落ち着いてゴールに流し込んだ。前節の鹿島戦に続く2戦連発ゴールに、「ミシェウがいいパスを送ってくれた。感謝したい」と冷静に振り返った。

 1-0で迎えた後半は押し込まれる状態が続いた。救ったのも矢野だった。MFマルシオ・リシャルデスのパスを前線できっちりとキープし、リターンパス。矢野のパスを受けたマルシオ・リシャルデスがMF本間の追加点をアシストした。チームが苦しい中、矢野が導いたといっても過言ではない2点目だった。黒崎監督は「W杯から戻ってきて多少ゲーム勘がにぶっていたが、今日は矢野らしいダイナミックなプレーがあった」と目を細めた。

 W杯では1次リーグのカメルーン戦で途中出場。前線の守備要員として貴重な勝利に貢献した。その後、出場機会はなかったが、世界最高峰の大会を経験し、「学ぶことは多かったが、そのうちの1つが、もっと得点を意識しないといけないということ」という。その意識が、W杯前のリーグ12戦不発から、W杯後の4戦2発につながった。

 この日、日本が登場する14年W杯ブラジル大会のアジア3次予選初戦が、11年9月2日に決まった。早くも新たな日本代表への競争が始まる。ゴールへのこだわりを強調する矢野が、新生日本の得点源となるべく、真夏の新潟でアピールした。【塩谷正人】