<J1:広島3-0京都>◇第16節◇1日◇広島ビ

 広島DF槙野智章(23)が京都戦でセットプレーから先制の低空弾を決め、完封勝利に導いた。0-0で迎えた後半5分、ゴール左45度、約30メートルの位置で得たFK。MF森崎浩のちょこんと出したボールを、ファーサイドにけり込んだ。この一発で攻撃陣に一気に火が付いた。

 今季2得点目。昨季は8得点をマークするなど得点力はあり、ポスト闘莉王の有力候補だ。W杯南アフリカ大会の日本代表から外れ、現地に帯同するサポートメンバーに指名されたが、事実上の辞退。「中途半端な立場より、しっかりと次に備えたい。メンバー落ちを肝に銘じ、次に備えたい」と意気込んでいた。

 不慣れな日本代表で面倒を見てもらった横浜のMF中村俊がW杯後に代表引退を表明した。7月18日の横浜戦で、その中村俊とマッチアップし3-0で完封勝ちを収めた。試合後、ユニホームをもらった際に「俊さん、代表を辞めないで下さいよ」と直接訴えたが、笑って流された。「代表のことは常に意識している。それまでチームで結果を出すだけ」と槙野。世代交代の4年後を予感させる先制弾で、チームも6位に浮上した。【佐藤貴洋】