<J1:G大阪3-2C大阪>◇第23節◇18日◇万博

 14年W杯ブラジル大会を目指す若手が、ザックに猛アピールだ!

 日本代表のザッケローニ監督(57)が、G大阪-C大阪を視察した。ビザ取得後、事実上の初仕事となった指揮官の目の前で、C大阪MF乾貴士(22)が意地の1発を決め、有望株が存在感を見せた。

 ザックに、嗅覚(きゅうかく)をアピールした。0-2の後半7分だ。前半にFWアドリアーノが退場となり数的不利な状況でも、MF乾は神経を研ぎ澄ませた。G大阪FWルーカスが頭でクリアしたこぼれ球を拾う。右足を振り抜き突き刺した。「この辺りにこぼれてくるかなと思っていた。適当に打ったら入った感じ。アピールにはならないでしょ」と謙虚に振り返った。

 新生日本代表に選ばれ7日グアテマラ戦で先発。だが、後半開始から交代となり「自分の力はまだまだ」と自覚したという。「足りないものは決定力」。試合2日前にはポルトガル語の椎谷通訳にGK役を頼み、小菊コーチと居残りでシュート練習を行った。約15分。50本以上、左右に打ち分けた。その努力の成果が、いきなり出た。

 「本当にシュートが下手。小菊さんからは、もっとペナルティーエリアの中へ入る動きを意識した方がいいと言われている。練習しかない」と言い聞かせた。敗戦の中にキラリと輝きを見せた22歳。「今の自分の力がまだまだ。出直しです」。もっとうまくなって、W杯に出たいと強く願う。【奈島宏樹】