<J1:横浜4-1湘南>◇第29節◇6日◇平塚

 横浜の日本代表DF栗原勇蔵(27)が、6日の湘南戦で左太ももを痛め、途中退場した。精密検査は受けなかったが、「大きな音がした」と話すなど肉離れの可能性が極めて高く、今季リーグ戦の出場は微妙。ザッケローニ監督(57)率いる日本代表でセンターバックのレギュラーを務めてきたが、回復の状況次第では来年1月のアジア杯への招集が見送られる可能性も出てきた。チームの大黒柱であるDF中沢佑二(32)が8試合ぶりに復帰した一戦で故障するという皮肉な結果となった。

 激しい痛みに襲われた栗原は、交代を求めるため、ベンチに向かって右手を挙げた。後半34分。ゴール前の競り合いだった。上体を反らせる無理な姿勢で左足を踏ん張った。直後に筋肉が引きちぎれるような音が聞こえた。「同じところだから、やばいと思った」。今年2月の宮崎キャンプで左太もも肉離れの重傷を負い、開幕に出遅れた。この日の試合後、精密検査は受けなかったが「大きな音がしたから、多分(2月の時と)同じ」と肉離れによる長期離脱を覚悟した。

 チームにとっても、ザックジャパンにとっても痛い負傷だ。横浜にとってこの日は、右ふくらはぎの肉離れで2カ月間戦列を離れていたDF中沢の8試合ぶりの復帰戦でもあった。目標のリーグ戦3位以内に向け、センターバックコンビがようやくそろった矢先の負傷となった。栗原は自分の経験から「全治4~6週間程度かも知れない」と表情を曇らせた。

 ザッケローニ監督にとっても、頭が痛い状況となった。栗原は、アルゼンチン戦と韓国戦でいずれも先発フル出場し、無得点に抑えきった。来年1月のアジア杯メンバーに招集されることは確実視されている。名古屋DF闘莉王が右ひざなどに痛みを抱えていることもあって、大きな期待が寄せられていた。患部の回復具合によっては、招集の見送りも考えられる。

 栗原は、明日8日に精密検査を受ける予定。「こんなことで肉離れになるなんてダメだな。もっと鍛えないと」と悔しがっていた。【松田秀彦】