横浜FCのFWカズ(三浦知良、43)が、J2最終節アウェー大分戦(4日・大銀ド)で今季初めてスタメンに名を連ねる。カズは2日、チーム紅白戦に主力組のFWとして登場。キレのいい動きで攻撃を活性化させ、岸野靖之監督(52)からもゴーサインが出た。カズのリーグ戦先発は、昨年7月19日の岐阜戦以来1年5カ月ぶり。ここ一番の最終戦に強いキングが、来季の契約延長を前にチームを勝利に導く。
試合2日前、恒例の紅白戦。カズに渡されたのは控え組の黄色ではなく、主力組の赤いビブスだった。11番を背にして、大声で味方を鼓舞しながらピッチを駆け回った。前半は24歳の西田との2トップで、後半は23歳のカイオと前線で組んだ。「主力組は今年初めてだからね。驚いたよ」。43歳はそう言って笑った。
長く忘れていたスタメンだ。今年出場した9試合はすべて後半途中から。10月23日の千葉戦からは途中出場、展開によって異なる役割でピッチに立ち、3連勝に貢献した。「経験があるからね」と満足そうに話していたが、やはり先発への思いは強い。「途中からは大変。本当は最初から出たい。コースを突いて相手を抑え、最後はスピードのあるクルーン(巨人投手)に任せたい」と大好きな野球に例えて話していた。
好調なことも、スタメンへの意欲を強くさせる。シーズン序盤はケガもあって苦しんだが、終盤は尻上がり。11月20日からの3試合は出番なしだったが、火曜日の練習でもミニゲームで3ゴールした。「試合に出たいね。今の状態でどこまでできるか、公式戦でやってみたいよ」と話すほど、絶好調だった。
もちろん、岸野監督もカズの好調ぶりは分かっていた。主力組で使った理由も「勝つために」と明確。J1昇格が消え、ホーム最終戦で草津に敗れ、チームは停滞ムードだった。前日の練習後には「パワーが落ちている。何かが必要」と話した。
それが、選手の入れ替え。「90分で勝ちきるために最善の方法。今日の紅白戦は集中していたし、よかった」と話した。カズに対しても「戦術の中で動ける選手。いいとこどりではなく、チームのためにプレーできる。周りがやりやすい」と高く評価した。
大分戦は、33歳の早川と29歳の戸川がセンターバックを組み、31歳の小野がボランチに入る。いずれも今季限りで退団が決まっているが、カズにとっては横浜FCの苦しい時期をともに過ごした戦友。早川と小野は、06年にJ1昇格を決めたチームメートでもある。「いい意味で大人のサッカーができると思う。試合が楽しみだね」と言った。
J発足から01年までは出場したすべての最終節でゴールした「最終節男」。07年J1最終節では、決勝アシストで優勝目前の浦和を引きずり下ろした。「次は考えなくていいから、すべてを出し尽くすよ」。今年最高にカズが燃える。



