清水長谷川健太監督(45)はG大阪戦(4日午後3時半=アウスタ)がラスト采配。日本人監督歴代2位タイとなる監督通算90勝を目指す。

 今季限りでの退任が決まっている長谷川監督が日本を代表する名将からの勝利を誓った。最終節の相手はくしくも200勝を超え、ぶっちぎりで日本人最多勝監督のG大阪の西野監督が相手となった。

 長谷川監督

 最後に西野さんと試合ができるのは光栄なこと。非常にやりがいがある。

 05年に就任して以来6年間で、ここまで89勝を積み上げてきた。約6割の勝率を誇り、自身も日本人監督歴代3位にまでのし上がった。「僕だけの力じゃないですよ。補強面とか、いい新人選手を獲得してもらったりと、クラブ全体の協力があったから、ここまで結果が出せたと思っている」。今では穏やかな表情で振り返るが、門出は決して順調なものではなかった。

 長谷川監督

 負けない戦いは徐々にできるようになっていた。でも、勝つことは、こんなにも難しいんだと思い知らされた。

 就任1年目のリーグ初勝利は開幕から7戦目の4月23日の千葉戦(2-1)。苦しみ抜いた末に、元日本代表のオシム監督から記念すべき初勝利を挙げた。そこから6年間、悲願の「年間リーグ優勝」には届かなかったが、長谷川監督が残した功績はエスパルス史上の中でも大きい。

 最終節の勝利は自身監督通算90勝のメモリアルであり、同時に日本監督歴代2位タイに浮上する1勝になる。「あと1試合か…」。現役時代から常にエスパルスとともに歩んできた長谷川監督が大台を達成し、自らの花道を飾る。【為田聡史】