香川を見習え!

 山形は14日、山形・天童市内でシュートを中心に調整。軽めのメニューを終えた後、いつもは取材対応する小林伸二監督(50)が、MF広瀬智靖(21)を呼び止めた。自らパスを出しながら、相手DFを意識したポジショニングと飛び出しを伝授。独・ドルトムントのMF香川真司(21)を引き合いに出し、「広瀬はどちらかといえば動きがワンパターンになるところがある。相手に取られないように体を使えばシュートが打てる」と“居残り練習”の意図を明かした。

 無尽蔵のスタミナを生かした運動量で、試合中は動きっぱなし。小林監督の香川に対する評価だ。「ファーストタッチが特別うまいわけでもないし、キレがあるわけでもない。でも走り回って相手の裏を取ってかく乱する」。今年5月の移籍以降、日本のエースは16試合で8点とハイペースでゴールを量産している。

 小林監督はC大阪を率いていた05年に、初めて香川のプレーを目の当たりにした。「高2なのに大人より動けていた」。ドリブルやパス能力の高い広瀬に、香川の魅力が備われば怖いものなしとなる。9月15日に負った左足関節の捻挫から復帰したばかり。少しずつ「モンテのエース」へと進化していく。【湯浅知彦】