仙台が練習場として利用する仙台市泉サッカー場が、6月10日まで使用できないことが16日、分かった。昨夏の猛暑で芝の状態が悪化。一部利用を除き、養生のためグラウンドを閉鎖する。

 3月5日のJリーグ開幕後、約3カ月間は練習場を転々とする“放浪生活”を余儀なくされる。J1クラブとしては異例の事態だ。他の候補地として宮城県内の大和町ダイナヒルズ運動公園、仙台市陸上競技場、利府町の県サッカー場などが挙がっている。京都から元日本代表FW柳沢を獲得するなど充実した補強の裏で、思わぬ“敵”が浮上した。

 現在は降雪から芝を守るため、泉サッカー場はシートに覆われている。管理する仙台市スポーツ振興事業団の泉総合運動場、小磯正臣主事は「例年、開幕後には貸し出しているんですが…。猛暑の影響で枯れてしまって。(6月まで)ベガルタさんが使用できないのは初めてです」と話す。専門家によると10カ月から1年間、養生すべきとの見解もあるという。だがJ1復帰2季目を戦う仙台のため、気温の上昇とともに芝が成長する春の時期のみ使用禁止とした。

 自然現象には逆らえないが、仙台にとっては不利と言わざるを得ない。移動時間や日々、状態の違うグラウンドで練習することで足への負担が増し、ケガのリスクも増える。タフなシーズン序盤を乗り越え、粘り強い精神力を手に入れる-。そう前向きに捉えるしかない。【三須一紀】