山形は18日、長崎・雲仙市で対人練習を中心に調整し“山形のメッシ”と呼ばれるMF伊東俊(23)が目を見張る動きをみせた。

 この日は6人対6人~10人対10人まで行い、伊東は隙を見ては敵陣をドリブル突破し、チャンスメーク。相手を一瞬にして置き去りにする鋭い切れ込みが持ち味。スペイン・バルセロナのFWメッシ(23)と重なるタイプとしてサポーターからニックネームがついた。「それはキツいっす。似てないですよ」と謙遜(けんそん)するが、本家が身長169センチで伊東は165センチ。ともに「小柄なドリブラー」の印象が強い。

 おとなしい性格で、以前はピッチの上で自己主張する機会が少なかった。昨秋あたりから、ボールを持てば「らしさ」を演出する場面が増え始めた。「きっかけはないんですけど、ちょっと考え方を変えました」。昨年11月17日の天皇杯4回戦(対川崎F)、途中出場すると稲妻のような高速ドリブルがさく裂。ボールは奪われたが、最も観衆が沸いた瞬間だった。「パスだけじゃなく、点を取る意識が出てきました」。キャンプでも日に日に存在感が増している。

 「スタメンを狙っていきます」。昨季、公式戦出場は4試合。今年は「最強の武器」とともに、ブレークを狙う。【湯浅知彦】