J2札幌の新主将が、今季から加入のMF河合竜二(32)になることが20日、内定した。石崎監督は新加入ながら横浜でも主将経験がある背番号4を指名。きょう正式発表される。加入初年度の主将就任は99年のDF名塚以来12年ぶり。若手、ベテラン問わずコミュニケーションがとれ、実力も兼ね備えた守備のキーマンが、J1昇格に向けチームをけん引する。

 フレッシュな人選となった。石崎監督は「リーダーシップもあるしスタッフの意見も多かった」と河合を指名。前主将石川の新潟移籍、本命高原の負傷などで混迷した新人事だったが、最後はすんなり決まった。最悪ジャンケン選抜というプランも浮上していたが「やらなかったよ」と指揮官本人の意思が反映された。

 新加入ながら大役を担うことになった河合は「自分も成長できるし光栄なこと。責任と自覚を持って臨みたい」と意気込んだ。横浜時代は08、09年に主将を経験。当時は日本代表としてもプレーした元横浜MF奥大介氏(35)からの勧めで引き受けた。「理想の主将像は奥さん。口だけでなくプレーでも引っ張れるようにすること。そこは札幌でもブレないように」と自分流を貫いていく。

 新主将の“公約”として「オンとオフの切り替えを大事にしたい」と掲げた。横浜時代からサッカー対する真摯(しんし)な姿勢は有名。そしてオフには後輩を誘って食事に出かけるなどピッチ外の“飲みニケーション”も得意としてきた。新主将は「遊ぶときは遊ぶ。やるときはやる。メリハリをつけていかないと」と意欲を見せた。

 選手の評判も上々だ。FW三上は「竜二さんは、経験も豊富だしみんなを引っ張ってくれるタイプ。主将にふさわしいと思う」と歓迎した。過去、新加入選手の主将は、岡田元監督が就任初年度に指名した99年のDF名塚(現U-15監督)以来12年ぶり。河合は「いいときはほめて悪いプレーは厳しく言っていく」と決意表明。02年に浦和を戦力外となりトライアウトからはい上がり横浜入りした苦労人でもある。厳しさも優しさも併せ持つ“竜ちゃんイズム”を前面に押し出し、札幌をJ1へ引き上げる。【永野高輔】