<サッカー:震災復興支援・日伊レジェンドマッチ

 JリーグOB選抜2-1ACミランOB選抜>◇8月31日◇ユアテックスタジアム仙台

 JリーグOB選抜が往年の大スター軍団、ACミランOB選抜に挑み勝利した。昨季、仙台で現役生活を終えたFW平瀬智行(34)もスタメンで登場。FWカズ(三浦知良=44)と2トップを組んだ。決勝ゴールは後半39分、カズのアシストからMF北沢豪(43)が決め、駆け付けた8519人に最高の結果を残した。

 震災から半年がたとうとする中、元仙台FW平瀬がキングカズと2トップを組み、被災地仙台からエネルギーを発信した。夢のコンビに、ユアスタは盛り上がった。前半から積極的に攻めた。平瀬とカズがワンツーパスでACミランDF陣を突破する場面も。オフサイドにはなったが豪快な右ボレーを見せるなど、仙台で被災した平瀬は、駆け付けたファンに思い切ったプレーを見せ、沸かせた。

 イタリアとは因縁があった。02年W杯日韓大会前の5月、イタリア代表は平瀬が所属していたJ1鹿島と練習試合を行った。満員の国立競技場で0-2とビハインドを背負った後半。この日もチャリティーマッチに参加したDF名良橋の右クロスがゴール前の混戦でルーズボールになった。そのボールにすぐさま反応。右足を振り抜きゴールを決めた。この試合で鹿島が記録した唯一の得点だった。

 世界的DFカンナバロ、ネスタ、マルディーニ、FWトッティ、デルピエロらを擁する最強チームからゴールを奪った。高速ドリブルでネスタを抜き去る場面も見せ、両チーム最多の3本のシュートを放った。「ガゼッタ・デロ・スポルトの採点が7・0だったんだよね」と振り返る。

 その平瀬が、9年ぶりにイタリア勢と対戦。試合前「ビエリには(9年前の)リベンジをしたいよね」と話していた。当時、同代表に名を連ねたFWビエリも今回、来日予定だったが直前にキャンセル。それでもACミランOBを前に興奮は最高潮に達した。ACミランの永久欠番「6」を持つDFバレージ監督兼主将に対し「一緒にできること自体、信じられない。バレージから点取りたいな~」と話していた。

 得点はならなかったが、バレージのマークをカズとのコンビネーションで外すなど、見せ場をつくった。試合前、仙台で被災した平瀬がスピーチ。「震災の影響は計り知れない。しかし、強く生きて仙台を盛り上げていきましょう」と叫んだ。

 後半、試合は動いた。同13分、元仙台MF千葉の折り返しを合わせ元日本代表FW福田が先制。しかし、同31分ACミランMFセルジーニョにFKで同点を許した。そして迎えた試合終了直前。ドラマが待っていた。同39分、カズが足技で相手を抜き左クロス。それに元日本代表MF北沢が右ボレーで勝ち越した。やはりキング。決勝のアシストで被災地仙台に、東北に歓喜をもたらした。(敬称略)【三須一紀】