フットサルに挑戦する横浜FCのFW三浦知良(カズ=44)が14日、決戦地・札幌入りし、初練習した。エスポラーダ北海道の一員として今日15日、リーグ戦(対府中アスレティック)に初出場する。試合会場の北海きたえーるで行われた前日練習前には、20歳以上若い選手らに「遠慮せずカズと呼べ」と要求。サッカーファミリーのため一肌脱いだカズは、府中戦をきっかけにフットサルが日本中に広まることを願った。
初接触にも遠慮はなかった。フットサルを日本中に広めたい。試合に勝つと、話題性も高まる。さらにゴールすれば、フットサルの知名度は一気に高まる。その気持ちからか、カズはチームメートへのあいさつで、「さん抜き」を要求した。アリーナに登場すると、まずは1人1人と握手。その後、小野寺監督に促されると、プロ魂を口にした。
カズ
明日(15日)はホームなんで、勝利を目指してやっていこう。オレに遠慮することはない。カズ、カズって呼んでください。
横浜FCでも、ピッチ上では「さん付け」はしない。さんを付ける時間がもったいないからだ。サッカー以上に展開が速いフットサルの公式戦で「さん付け」で呼んではプレーが遅れてしまう。北海道の選手にとって、カズは雲の上の存在。一挙手一投足に注目し、なにかを盗もうとする真剣な雰囲気を察知して、勝利のために「さん抜き」を要求した。
練習は冒頭20分だけ公開され、その後約1時間非公開で紅白戦などで調整した。カズは「サッカーボールとは違うし、芝の上と板の上は違う。感覚的にも違う」と戸惑いを見せたが「紅白戦を4本やったけど、1本目より2本目が良くて、最後の4本目はいいものを感じられた」と、最後は手応えをつかんだようだ。
戸惑いを承知の上で、フットサルに挑戦した。理由がある。サッカー界のキングは、フットサルの底辺拡大を切に願っている。
カズ
オレの挑戦は、そのうち忘れられる。1日、2日で人の記憶は過ぎ去ってしまう。急いで変えるより、まずは土台作りをしっかりやらないといけない。これをきっかけに、子供たちにフットサルを始めてほしい。将来、サッカーがうまくなるために、フットサルは必要です。これはサッカー界全体で取り組まないといけない。
Fリーグがスタートして5年。カズ参戦で知名度は一気に高まった。フットサル元年のスタートを告げる初挑戦。ゴールへの自信、ゴール後のカズダンスについて聞かれると「なんにも考えてません。考えられません」と言った。現段階でトップの競技力を備えていないことは、カズ自身が一番分かっている。それでも挑戦に踏み切った。フットサルの夜明けのために。【盧載鎭】
◆三浦知良(みうら・かずよし)1967年(昭42)2月26日、静岡市生まれ。15歳で単身ブラジルに渡り、86年にサントスとプロ契約。CRB、コリチーバなどを経て、90年に帰国し読売クラブ(現東京V)入り。94年にはジェノア移籍で日本人初のセリエA選手となり、99年にはクロアチア・ザグレブでもプレー。帰国後は京都、神戸と移籍し、05年7月から横浜FC。94、98年W杯予選など日本代表のエースとして活躍し、国際Aマッチ91試合56得点。177センチ、72キロ。



