<なでしこリーグ杯>◇初日◇23日◇佐賀県総合運動場陸上競技場など

 なでしこリーグ杯が全国各地で開幕し、INAC神戸が福岡ANを3-1で下した。前日にスウェーデンから帰国したばかりのFW大野忍(28)、FW川澄奈穂美(26)は後半の45分間、元気にプレー。時差ぼけや移動疲れが残る中でもキレのある動きをみせ、決勝まで中2日で試合が続くロンドン五輪本番に向けて、強行日程でも問題がないことを証明した。

 時差ぼけや移動疲れはどこへやら。後半から出場したFW大野、FW川澄のOKコンビがゴール前で何度もチャンスを演出。小雨の降る佐賀のピッチを軽快に駆け回り、福岡ANに格の違いを見せつけた。

 後半7分には川澄がFKを頭で合わせ、ポストにはね返される惜しい場面も。同35分にはカウンターから大野のパスを受けた川澄がゴール前に突進。得点こそ生まれなかったが、18日の米国戦、20日(日本時間21日)のスウェーデン戦をこなした後でも、2人の自慢のスタミナはタフなままだった。

 スウェーデンとの時差は7時間。約24時間の移動を経て22日に帰国し、同日夜に試合会場がある佐賀県入りした。代表遠征から帰国した翌日の試合に出場したのは今回が初めてという大野は「きょうはあやうくベンチで寝ちゃうとこでした。ナホ(川澄)に向こうの時間を確認したら朝4時くらいって言われて…」と打ち明けながらも「なでしこの続きのつもりでやりました」。川澄も「疲れや時差はそんなに気にはならなかった」と話した。

 五輪本番では1次リーグから決勝まで中2日で試合があり、会場を転々とする日々が続く。攻撃の核となる2人が強行軍を乗り越えたことは本番へ向けての格好の予行演習となった。【福岡吉央】