<なでしこリーグ:伊賀0-1INAC神戸>◇第14節◇13日◇瑞穂陸

 首位を独走するINAC神戸が伊賀を下し、勝ち点を40に伸ばした。この日はロンドン五輪でレスリング女子3連覇の吉田沙保里(30)が応援に駆けつけ、MF沢穂希(34)が決勝ヘッド。五輪メダル仲間の目の前でリーグ連覇へまた前進した。これで自力Vまであと2勝。今日14日の2位日テレ、3位岡山湯郷の結果次第では、最短で次節21日の新潟戦(ホームズ)で優勝が決まる。

 シュートわずか7本の苦しい試合を救ったのはMF沢だった。前半11分、FKからMFチ・ソヨンのクロスに合わせるダイビングヘッド。秋の日差しを背に笑顔でスタンドを指さした。その先には、試合に招待した吉田の姿があった。

 9月に世界大会13連続優勝を達成したばかりの吉田とは、頻繁にメールのやりとりをするほど親しい。吉田は「沢さんから(招待の)メールを頂いたんで、一緒に食事をしようと。(得点は)さすがだなと思いました。見にきてよかった」と大喜びで、ロンドン五輪銀メダルの沢も「吉田さんの方がすごいですよ。結構(応援に)来てくれています」と返した。

 先制後は伊賀の組織的な守備に、自由自在な攻撃が影を潜めた。だが沢は「早い時間帯に取れたのが大きかった。(失点)ゼロで終われて勝ち点3を取ったことに意味がある。厳しい試合で勝てたのがよかった」と話した。

 2連覇も目前だ。今日14日の試合で勝ち点30の2位日テレが敗れ、同29の3位岡山湯郷が引き分け以下なら、最短で次節21日の新潟戦で優勝が決まる。昨年は優勝直前で2連続の引き分けで足踏みしたが、今年は違う。沢は「あまり考えず、やるべきことをやっていけば優勝につながると思う」と、浮かれることなく次戦に気持ちを向けた。【福岡吉央】