<プレナスなでしこリーグ:岡山湯郷1-4INAC神戸>◇第16節◇28日◇美作

 INAC神戸が岡山湯郷を4-1で下し、リーグ2連覇を達成した。ここまで15勝1分けで、昨年に続く無敗優勝。リーグ女王として、11月下旬に行われる国際女子クラブ選手権への出場権を獲得した。

 優勝が決まった瞬間、ピッチ上でガッツポーズをした選手はゼロ。表彰式後のロッカールームでこそ、2連覇の歓喜に沸いたが、昨年の優勝からひと回り大きくなった成熟したチームらしいフィナーレだった。

 主将MF大野は「うれしいですけど、まだ大事な2試合が残っているので、残り2試合を勝って喜びたい。今までやってきたことが無駄にならないよう、こだわりを持っていきたい」と喜びを封印した。

 9月9日に行われたなでしこリーグ杯決勝で日テレに敗れ、公式戦無敗は43でストップした。今季初黒星を喫してチームの意識が変わった。大野は「負けたことで何をすべきか考え直せた。自分たちでどれだけ上を目指せるかだけだった」と技術を高めることを意識し、大野自身は、周囲を生かすプレーを身に付けた。

 星川監督も手を打った。川澄、高瀬の左右ウイングの入れ替え、昨季得点王の川澄には右DF近賀と連係した縦の突破を課した。

 この日もFW川澄が1得点3アシストと全4得点に絡む活躍。「今年は自分たちの質が上がったと思う」と進化を口にした。指揮官に高い決定力を課されたFW高瀬は得点ランクトップの今季19点目を挙げ、大野も2得点。16試合で62得点とリーグ断トツの得点力は敵なしだった。

 この日の勝利で、一昨年から続くリーグ戦連続無敗記録は35試合に伸びた。クラブ創設からわずか12年で女子リーグの新時代を築き上げた。だが、まだまだ満足はしない。国際女子クラブ選手権、皇后杯との今季3冠、そして来季のリーグ3連覇と、飽くなき挑戦は続く。【福岡吉央】

 ◆INAC神戸レオネッサ

 01年創設。05年にLリーグ(現なでしこリーグ)2部に参入し、06年に1部昇格。09年にはチーム名に「神戸」を加える。10年度に初タイトルとなる全日本女子選手権優勝。11年にリーグ初優勝を飾る。INACは「International

 Athletic

 Club」の略。レオネッサはイタリア語で雌ライオンの意。チームカラーは赤。文弘宣会長。