<プレナスなでしこリーグ:浦和2-3INAC神戸>◇第17節◇4日◇浦和駒場

 リーグ戦初先発のINAC神戸MF田中陽子(19)が、なでしこジャパンアピール弾を決めた。0-0の前半30分、U-20(20歳以下)女子W杯でも決めた「ぶれ球ミドル」で先制した。この日は3トップの右でプレー。MF沢のロングボールを右サイドで受けると、中央からサイドに流れたMF川澄に縦パス。中央に走り込みながら折り返しのパスを受け、ゴール正面で右足を思いきり振り抜いた。「蹴った瞬間に入ったと思いました。力強いぶれるシュート。けっこうスピードもあった」。なでしこジャパンの先輩らとつないだ約20メートルのミドル弾に笑顔を見せた。

 U-20W杯3位決定戦後の9月8日の夜。宿泊先で「またみんなでプレーしよう」と将来の代表入りを涙で誓い合った。この日、ピッチに両チーム計7人の“仲間”が立った。だが、なでしこへの“ライバル”でもある。「同世代に1対1で負けたくない気持ちが強かった」と自分自身を鼓舞した結果だった。

 ヤングなでしこのエースからなでしこへ-。なでしこジャパンのエース沢も「(若手の活躍が)女子サッカーの底辺も広がるし、刺激になる」と話す。「これからはA代表しかない。そこを狙っていきます」。まずは、なでしこ7人を擁するリーグ36戦無敗チームでのレギュラー獲得。その先になでしこがある。【鎌田直秀】