16日のクラブW杯決勝で欧州王者チェルシー(イングランド)を下して、2度目の優勝を飾った南米王者コリンチャンス(ブラジル)の選手たちが17日、帰国の途に就いた。前夜の熱狂が冷めやらぬ中、成田空港にはまたもや約300人のコリンチアーノ(熱狂的サポーター)が集結。選手たちは、「カンピャオーン!(ポルトガル語で王者の意)」の大歓声でたたえられた。

 空港内が一時騒然とした。午前9時過ぎにコリンチャンスの面々がバスで到着すると、集まったサポーターから「カンピャオーン」と連呼するかけ声がわき上がった。サングラスをかけたFWエメルソンや、決勝でゴールを決めたFWゲレロ、好守のGKカッシオらに声援が飛んだ。

 選手も監督もファンも眠いはずだった。決勝終了後、17日午前1時から、宿泊先のホテルで祝勝会がスタート。一方、チチ監督は「試合を見直していて、眠ったのは4時半か5時ごろ。これでやっと喜べるよ」という。それでも出国ゲートをくぐっても選手とファンが記念撮影を行うなど、お祭りは続いた。

 そんなコリンチャンスをたたえたのはサポーターだけではなかった。14年W杯ブラジル大会に向け、フォルタレザに建設された競技場で16日、落成式が行われた。式に出席したルセフ大統領はブラジルの強さをピッチの内外で示したと喜んだ。

 また、かつて怪物と呼ばれ、コリンチャンスで引退した元ブラジル代表のロナウド氏は、自らのツイッターに「おめでとう。これは組織力の勝利だ」と記した。財政を立て直し、欧州並みの施設をそろえたコリンチャンスは、名実ともに世界のビッグクラブの仲間入りをした。【千葉修宏】