<東日本大震災復興支援チャリティーマッチ>◇25日◇国立

 発起人のMF澤穂希(34=INAC神戸)がゴールで被災地に元気を与えた。2012メモリーズ(なでしこジャパン)として先発、前半26分に右足で先制。後半はラモス瑠偉(55)ら日本代表男子OBチームと対戦し、3万人を超える観衆や、東北から招待した子どもたちから大歓声を浴びた。「これからもサッカー界の心は東北の被災地に向いています」。最高のクリスマスプレゼントを贈った。

 澤が被災地への思いをクリスマスの夜に込めた。4日で3試合の疲労の中、全力で走りぬいた。前半26分、川澄が右サイドを突破し、宮間がクロス。こぼれ球に反応した澤が、7月11日の五輪壮行試合オーストラリア戦以来となる“代表ゴール”を右足で決めた。「私たちが楽しんでサッカーをする姿で、被災地の子供たちに笑顔を取り戻してほしかった。良いクリスマスプレゼントになったと思うし、重みのある1点だったと思います」。澤をはじめ、各選手は試合中も出番以外は岩手、宮城、福島から招待した約200人の子供たちとサイン、記念撮影を行った。

 先月26日に岩手・陸前高田を訪問。収益全額を寄贈し、グラウンドの新設やスプリンクラーの設置を約束した。呼びかけに集結してくれたなでしこや男子日本代表OBに感謝し「今後も自分たちにしかできないことを続けていきたい」。なでしこの支援活動は継続される。【鎌田直秀】